【留学する前に】日本とアイルランドの教育の違い8つ

アイルランドは、日本人にとってあまり馴染みのない国だと思います。
イギリスの隣とか、ギネスビールにアイリッシュパブ、アイリッシュ音楽。それくらいのイメージではないでしょうか?
しかし、この小さなヨーロッパの西の果ての国は、意外にもなかなか教育水準が高いのです。
そんなアイルランドの小学校のあれこれを、これから紹介したいと思います。
この記事の目次(クリックでそこへ飛べます)
【1】小学校入学は5歳から
5歳になる年から小学校が始まります。日本で言うと、幼稚園の年中です。
しかし1年生と呼ぶようになるのは、日本と同じ7歳からです。5歳からの1年目はジュニアインファンツ、2年目はシニアインファンツと呼ばれるクラスにあたり、小学校の中の「幼稚園部」のような存在です。
幼稚園部と言っても、すでに勉強が始まり宿題も毎日出ます。
【2】校区、学区がない
日本の様に指定の小学校に入るシステムではなく、親が子供の小学校を選択できます。地元の小学校に行く人が多いですが、遠くの学校や親の仕事先の近くの小学校に入れる事も可能です。
ちなみに、年齢も選択可能です。5歳になる年齢からスタートですが、誕生日が遅い子やまだ言葉をあまり話せない等5歳から始めるには早いなと親が思えば、1年遅らせて入学させる事もできます。
【3】公立小学校はカトリックスクール
アイルランドは信仰心の強いキリスト教のカトリック教徒で、30年位前までは教会が絶大な力を持っていました。小学校の運営も教会が行っており、校長先生は神父という小学校が普通でした。
現在では宗教と離れつつあるため、校長先生が神父という事はありませんが、それでもキリスト教の授業がありますし、ランチの前にはお祈りもします。
コミュニオンやコンファメーションと呼ばれるキリスト教の儀式では、授業の時間を割いて学校で練習が行われます。
外国人やキリスト教徒ではない親はこれを嫌うため、無宗教の小学校へ通わせる人もいます。
【4】生徒数の違い
アイルランドは人口420万人程で、日本の30分の1です。そのため、日本と比べると、都会以外は生徒数の少ない規模の小さめな小学校が多いです。
平均的な1クラスの人数は25人程度で、1学年に1〜2クラスです。
規模が小さいため、体育館がある小学校は少ないですし、1年中暑くはならないので、プールもありません。
理科室や音楽室などの各専門の教室もない学校がほとんどです。
【5】時間割がない
小学校には日本のような時間割制度がありません。10時に小休憩、12時にランチを含めた大休憩がありますが、それ以外は先生が好きなように授業を進めます。
毎日の授業の内容はほとんど決っていますが、晴天の少ないアイルランドでは、天気のいい日は体育の時間が増えたり外で歌を歌ったり、臨機応変です。
1年間にやる勉強の内容が決っていて、そのペース配分は先生が決めるという形です。
外でやる副教科が多い日が増えれば、雨の日はメイン教科ばかり勉強するという日もあるようです。
【6】給食当番や掃除当番がない
日本では、給食も掃除も教育の1つという考え方がありますすが、こちらにはありません。
掃除は、掃除専門の人が雇われているので、生徒がする事はありません。
給食も、特に給食の時間は割り当てられておらず、小休憩にも少し食べ、残りを大休憩に食べてその後は外で遊ぶというように、休憩を使って、どのように食べてもかまわないようです。
【7】教科書は有料
アイルランドでは教科書は無料ではありません。最近は少しレンタル制度ができ、全て買わなくてもよくなってきましたが、それでも大部分は買わなくてはいけません。
学年により差はありますが、50〜80ユーロ位かかります。
そして、買った教科書は全て教室に保管してあります。時間割がありませんから、日本のように家で保管して授業に合わせて持って行く教科書を変えるという事がありません。宿題のある物だけ持って帰って来ます。
【8】夏休みの違い
アイルランドの夏休みは6月末から8月末までの2ヶ月間で、9月から新学期になります。
2ヶ月という長い期間ですが、夏の課題や絵を描く等の宿題は一切ありません。ちなみに春休みも冬休みも同様に、宿題はゼロです。
まとめ
全体的にはのんびりしたイメージですが、その分子供達がのびのび学べ、その結果想像力を育て、よりアカデミックにしているように思います。